上野屋蒲鉾店のストかまができるまで |
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日本海で獲れた地魚、ここ和江港(島根県大田市)で水揚げされるトラハゼを原料とした手づくりのかまぼこ。上野屋の職人は天然の素材や味にこだわる人にも喜んでいただける製品造りを目指し、日々努力を重ねております。どなたにも「美味しい」といっていただける蒲鉾を全国にお届けしたいという願いからホームページを立ち上げました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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営業カレンダー
※日曜日・祝日の 製造・発送業務はお休みです。
工場長:土江 元生(つちえ もとき)
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小型底引き網漁業は、簡単に言えば、「カゴのような網を船で引っ張って魚を獲る」漁法です。海底まで網を入れるので、ヒラメやカレイ、タイなども獲れます。魚群を狙って網を入れる漁業とは異なり、獲れる魚の種類がケタ外れに多いのが特徴です。
島根県の小型底引き網の漁場は、大社町沖から益田市沖辺りの海域で、他の沿岸漁業同様、日帰りできる港から1〜2時間程度の場所です。 ここ、和江の小型底引き網漁業は、9トンまたは14トンという小さな船で行われています。
おおよそ1時間ほど引いたら網を引き揚げ、かかった魚を網から出します。 そしてまた、網を投げ入れて引く。ということを繰り返し、引いている間に揚がった魚を選別していきます。
和江では、カレイ・ヒラメ・タイ・イカ・ニギスなどといった魚が獲れるのですが、それらが網の中でごちゃごちゃと混ざっている状態なのですから、種類ごとに、また大きさごとに分けてケースに詰めていきます。 この投網、引き網、揚網という作業を、だいたい6〜7回繰り返すと1日の漁は終了します。 こうして1日の漁を終え、港に帰るのはその日の夕方の5時頃になります。
和江港に水揚げされた魚は、その日の内に競りにかけられます。 和江の市場ではトラハゼをはじめとしたかまぼこ専用の魚の競り市が開かれます。 時間になると、「かまぼこの競りを始めます〜〜、かまぼこの競りを始めます〜〜。」とアナウンスされます。
上野屋は、この競りで吟味して良い物を選ぶとかいうことはなく、トラハゼがあれば可能な限り買い取ります。
写真を見れば一目瞭然ですが、ここ和江港で競り落としたものはどれも新鮮であることは間違いありません。 夕方、競り落としたトラハゼやレンコ鯛などは、翌朝には工場で冷凍すり身に加工していきます。
ベルトコンベアに魚をのせて、頭の部分と身の部分に分けていきます。
魚洗機にかけて、トラハゼのうろこと内臓を除きます。
※落とした頭や内臓、うろこなどは捨てずに、業者にお金を払って引き取ってもらっています。肥料にしてもらうことで、何ひとつ無駄にしないよう心がけています。
採肉機に入れて、身と骨に分けていきます。魚によって圧を変えることもあります。上身のほうが上品なのでそれをとった後で、再度圧力をかけて皮一枚にすることもあります。
魚をそのまますっても一応かまぼこにはなるのですが、それでは魚独特の臭いが強すぎるうえ、脂等が残ることにより劣化が増します。また、この水晒しによって、かまぼこの弾力を生む成分とそうでない成分を分離し、 不要な部分(脂、すじ、血液、水溶性タンパク質など)を取り除かないといけません。
このすり身を作る工程では、大量の水を使います。この水の性質が出来上がるかまぼこに大きな影響を与えます。 上野屋の工場内では、洗いも晒しもすべて水道水ではなく井戸水(天然水)を使用しています。 水晒しは、すり身を作っていく上で大切な作業ですが、あまりやりすぎると、タンパク質を構成している必須アミノ酸も抜けてしまう上、味も素っ気もないものが出来上がってしまいます。 そこで、上野屋はこの水晒しの水の量や回数の加減を改良することで、魚の旨みや風味を残すことを考えました。
トラハゼの漁獲量が減少してきたことによって、レンコ鯛やアゴを使うこともあるのですが、魚の種類によっても水加減を変えます。 レンコ鯛なら薄いピンク色になりますが、真鯛は黒くなりますし、アゴ(飛魚)は真っ黒になってしまい独特の臭みがあるため、山盛りの水で2回は水晒しをします。 逆に、ハゼやレンコは軽く流す程度にします。こうして 上野屋独特の方法で魚の旨みや風味を損なうことなく、冷凍すり身を作ることができたのです。 また、他の地方では腐りかけの捨てるような魚をかまぼこにしているところもあります。というと、「えっ?」と思われるかもしれませんが、これはこれで資源を無駄にしないという視点に立てば良いことではあります。 魚としての利用価値のないものでも、水晒しをすることで臭みが抜け弾力のあるかまぼこの材料としてちゃんと活用することができるからです。
ただ、何と言っても 和江のかまぼこが美味しいのは、材料に新鮮な魚を使っているからです。和江港に水揚げされたその翌日にはもう冷凍すり身に加工しているからです。 冷凍すり身は、しっかり水晒しをして脱水もしっかりしておくと、5年は持ちます。しかしそれでは、味も素っ気もないかまぼこができてしまいます。 漁獲量にも多少は影響を受けますが、 上野屋では水晒しを加減することで、冷凍すり身は長くとも半年以内に使い切ることにしています。 スパンが短いので魚の旨みや風味を残して、美味しいかまぼこを作ることができます。
水晒しにより粥状になった原料は水分を多く含んでいるため、脱水をします。 これをしないと、すり身の劣化が激しくなり解凍時にはドリップが生じます。
ここまでの処理では、まだ魚肉の中に小骨などがいくらか残っている状態です。ミンチにすることで小骨や繊維(スジ)を切り、きめ細かくしていきます。繊維が残ったままだとかまぼこになったときの食感がよくありません。
できたすり身は“ばんじゅう”に入れ、5kgずつの板状にします。3枚1組にしてダンボール箱に入れ、冷凍庫で約-30℃で保管します。
季節や気温によって異なるものの、たいだい午前2時頃になると冷凍庫から冷凍すり身をステンレスの台の上に出して自然解凍します。翌朝の解凍状態を見ながら気温に合わせて作業開始時のすり身の温度が一定になるように調節します。
1回の作業工程を“1うす”と言うのですが、2うす以上する時などは、気温だけではなく作業時間のズレも考慮に入れながら、解凍時間を調整していきます。
サイレントカッターに冷凍すり身を入れます。冷凍すり身は上野屋特製のすり身のほかに、仕入れたスケトウダラの冷凍すり身を混ぜて使います。 地魚だけで作ることが最良なのですが、材料となる魚の供給(漁獲量)の問題と、コストの面からもスケトウダラの冷凍すり身を使うことは致し方ないことなのです。
しかしながら、 冷凍のスケトウダラのすり身にもいろいろありますが、上野屋では最上級のものしか使っていません。 混ぜる割合は、和江で獲れるトラハゼの漁獲量により上下しますが、全体に対して1割〜2割5分くらいは地魚を入れるようにしています。
すり身を入れたら、サイレントカッターの電源を入れ回転させます。 回し始めてから、温度を見ながら塩を入れるタイミングを計ります。
塩を入れるタイミングも季節・気温により変わりますが、だいたい-1℃〜-2℃の間になったときに塩を入れます。
この時の温度があまり低すぎると『氷点降下』によりさらに温度が低くなり塩が固まってしまいます。
※塩には氷を溶かす働きがあります。氷が溶ける時にまわりの熱がうばわれ、氷水の温度が下がっていきます。これを『氷点降下 』といいます。
そして、この塩を入れた瞬間からが、うまいかまぼこができるかどうかの勝負なんです。
ここで、水や調味料ではなく氷を入れることによってなめらかな粘りが持続するのです。当然のことですが氷の量も季節や気温によって調整します。 回転している間に、すり身全体の温度もほぼ均等になります。
次に水や調味料、卵白などを入れ全体に混ざるまで回転させます。この間に氷のシャリシャリ感もなくなり、粘りも落ち着いてきます。
サイレントカッターが回転することですり身の温度は上がります。水と氷の割合も調整しないと、温度によって硬すぎるかまぼこになったり、柔らかすぎるかまぼこになったりと、
温度に左右される作業ですから、 毎朝、ヒヤヒヤしながらかまぼこを作っているんですよ。 職人らしさがでる瞬間ですが、手にとってその感触を確かめます。もっちりとした粘りや、ツヤ、透明感が出てきたら、 「うん。今日も、いいものができたな!」と実感します。
サイレントカッターの電源を切り、次に石臼式らいかい機に移し5〜10分回します。 和江のかまぼこ業者によっては、サイレントカッターのみで作るところ、石臼だけで作るところとまちまちのようですが、上野屋では両方を使っています。 どこがどう違うのかと聞かれると何とも答えようがないのですが、 再度石臼で練ることにより、さらに弾力のあるかまぼこになっていると感じています。
最後は、1本ずつのサイズにカットされ、ストローに巻きつけられる機械へ移されます。かまぼこの切り口(断面)にもみずみずしいツヤがでています。
転がり出てきたすまきかまぼこは、女性スタッフの手で手際よく輪ゴムを掛けられ専用台に並べられます。
そして、蒸し器の中へ入れて蒸します。
蒸し上がってきたかまぼこにもツヤが出ていれば、完璧!
蒸し器から出されたかまぼこは、一旦冷やします。
冷やされたかまぼこは、次に包装台へ運ばれ、1本1本スタッフの手によって包装されていきます。
包装されたかまぼこは、1日寝かせておき翌日出荷します。 なぜかというと、 作り立てよりも1日位おいたほうが、塩角(しおかど)が取れてまろやかな口当たりになり、風味も増すため、さらに美味しくなるのです。 真空パック用のかまぼこは、ストローを外してから、真空パックします。ストローがもったいないようですが、すまきかまぼこ独特の模様を付けるためには必要なプロセスなのです。
そして空気抜きをした後、もう一度蒸し器に入れて再加熱します。 お値段は同じなのですが、実は結構手間がかかっているのですよ。
こうして、市場に送り出された上野屋のかまぼこですが、賞味期限は、ストかまが約1週間、真空パックが約1ヶ月です。 ぜひ、美味しく頂ける間にご賞味くださいませ。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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上野屋蒲鉾店 〒694-0031 島根県大田市静間町和江311-1 TEL:0854-84-8121 |
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